【3月4日付編集日記】森林除染

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 「吾妻山に横雲がかかると明日は雨」(福島市)「磐梯山の"窓のぞき"(雲の上に頂上だけ見せている時)は雨」(会津坂下町)。各地の天気ことわざだ(「福島の天気・暮しとことわざ」歴史春秋社)

 ▼このほかに「西山の雲が切れると晴れになる」(二本松市・岩代)や「那須山にべったり雲が付いたら風強まる」(白河市・表郷)などもある。人々がふるさとの自然に学びながら天候を占った例はたくさんある

 ▼県土の7割は山林が占める。山に関する天気ことわざの多さも豊かな山や森が人々の暮らしとともにあったことを物語っているといえよう。だが、その山林も原発事故後は放射性物質のために身近なものではなくなってしまった地域もある

 ▼避難指示が解除された後の帰還の意向調査で「戻らない」と回答した飯舘村住民の多くが「宅地・農地以外の山林や河川等の除染がまだだから」との理由を挙げた。住民たちは事故前の状態に戻ってほしいと願う

 ▼浜通り地方には「郭公山に雲がかかったら洗濯物をおっこめ」(楢葉町)という天気ことわざもあるそうだ。気持ちよく乾いた洗濯物の向こうに変わらぬ景色が広がっている。そんな暮らしを再びと住民は夢見ている。