【3月8日付編集日記】コイに恋して

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 欧州の中央に位置するハンガリーは、ドナウ川が流れる首都ブダペストの美しい町並みで知られている。国土が海に面していない同国は、淡水魚を使った郷土料理も有名だ

 ▼特にコイは人気の食材という。大量のパプリカと共にコイをじっくりと煮た「ハラースレー(漁師のスープ)」や、フライなどコイ料理はバラエティーに富む。ハンガリー国民にとって、コイは古くから貴重なたんぱく源だった

 ▼日本のコイの一大産地である郡山市も、ハンガリーと同じく内陸にある。明治時代に安積疏水が完成し、猪苗代湖から水が引かれるようになったことから本格的に養殖が始まった。身が鮮やかで臭みのない郡山産コイは、甘露煮や「あらい」など料理に最適だ

 ▼しかし近年、食生活の変化でコイの消費量は減少している。郡山産は、原発事故の風評とも闘う。産地衰退の危機を乗り越えようと、同市はハンガリーと交流を始めた。同国の郷土料理を参考に商品開発などを行い、販路拡大につなげるのが狙いだ

 ▼ハラースレーを日本風にアレンジした料理などを考えるという。コイの新たな魅力創出に期待がかかる。市が名付けたプロジェクト名のように「コイに恋する」人が増えるといい。