【3月17日付編集日記】人工知能

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 「大局観」。物ごとの全体的な状況や成り行きに対する見方・判断―と手元の辞書にはある。囲碁や将棋では、局面の全体を把握して、的確な形勢判断を行う能力を大局観という

 ▼人工知能(AI)の囲碁ソフトが世界トップクラスのプロ棋士と対局し、通算4勝1敗で勝った。AIはすでにチェスと将棋の名手も破っている。しかし初手から決着までの局面の数が桁違いに多い囲碁で、AIが人間に勝つのは「あと10年かかる」と言われていた

 ▼AIが飛躍的に向上したのは、膨大な局面のデータを基に自ら学習し、勝利につながりやすい手を効率的に判断する「深層学習」と呼ばれる新技術を採用したためという。いわば、大局観に近い能力を獲得したということか

 ▼野村総研は、国内で働く人の約半数の仕事が、10~20年後にAIやロボットに代替できると推計する。AIの進化が続けば、2045年に人間の知能を超えるとする科学者の説もある。AIは、未来にどんな影響をもたらすのだろうか

 ▼自動運転車や医療用機器の進展などのほか、原発の廃炉といった難題の解決にも活用が期待されよう。人間にとって大切なのは、大局観を持って、AIとうまく付き合っていくことだ。