【3月18日付編集日記】声楽アンサンブル開幕

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 指揮者の佐渡裕さんは著書で、演奏会をサーカスの綱渡りに例える。音がちょっとずれたりしたことがきっかけで、奏者の集中力が一気に高まり素晴らしい演奏につながることがある。つまり良い演奏には落ちそうで落ちない綱渡りのような緊張感があるという

 ▼佐渡さんは「練習はあくまでも種に水をまいているようなもの」で、どんな花が咲くのかは実際に咲いてみないと分からないという。たった一度のスリリングな緊張こそ、生演奏の醍醐味(だいごみ)ということだろう

 ▼声楽アンサンブルコンテスト全国大会がきょう、福島市で開幕する。この日のために練習を重ねてきた国内外の126団体が出場する。このうち県内から参加するのは21団体だ

 ▼震災で中止になった5年前の大会で演奏予定だった曲を披露するメンバーや、特設の合唱部をつくり初出場を果たした生徒たちもいる。出場者に共通するのは、仲間と共に演奏ができることへの喜びの気持ちではないだろうか

 ▼音楽は、響くのと同時に消え去ってしまう。しかしその感動は、奏者と聴衆の心の中に長くとどまるはずだ。すべての出場者が演奏の緊張感を存分に楽しみ、ステージに大きな花を咲かせることができる大会にしたい。