【3月28日付編集日記】桑折町

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 中国六朝時代の詩人・陶淵明(とうえんめい)が記した「桃花源記」に、こんな話がある。漁師が川を遡(さかのぼ)り、桃の花が咲き乱れる林の奥の洞穴をくぐっていった。そこには数百年にわたり戦争のない平和な社会があり、漁師は住民たちから歓待を受けた

 ▼理想郷や別天地という意味合いで使われる「桃源郷」の由来という。福島市の花見山は写真家の秋山庄太郎さんが「福島に桃源郷あり」と評したことで知られるが、阿武隈川沿いに約120ヘクタールという広大な桃畑が広がる桑折町もしばしば桃源郷と形容される

 ▼同町は桃畑の景色や歴史的町並みを生かして、にぎわいをつくり出す歴史のまちづくりを計画する。町内には明治時代に造られた旧伊達郡役所や、伊達氏の居城だった桑折西山城跡、江戸時代から続く京都祇園囃子(ばやし)など多くの財産がある

 ▼町は、城跡の堀や土塁の復元、歴史案内人の育成、桃源郷をテーマにした周遊型イベントなどを行う考えで、国からきょう「歴史的風致維持向上計画」の認定を受ける

 ▼桃花源記における桃源郷は、再訪できない場所とされる。しかし桑折の桃源郷はリピーターも大歓迎だ。誰もが何度でも訪れてみたくなるような歴史のまちを目指し地域の宝を磨き上げたい。