【4月13日付編集日記】カタクリ

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 春に咲くカタクリの古名は「堅香子(かたかご)」。諸説あるが「傾いた籠状の花」というのが由来らしい。奈良時代の歌人大伴家持は「もののふの八十娘子(やそおとめ)らが汲み乱(まが)ふ 寺井の上の堅香子の花」(万葉集)と詠んだ。カタクリの花と少女らの愛らしさに、さぞや晴れやかな気分に浸ったことだろう

 ▼カタクリは古くから食用としても身近なもので、根茎から採れるでんぷんは菓子や料理に使う片栗粉の原料だった。現在は自生カタクリが減ったこともあり、片栗粉の原料はほとんどがジャガイモだという

 ▼春の訪れとともに県内もカタクリの花が見ごろとなった。群生地には大勢の人々が訪れ、薄紫色のかれんな花に見入ったり、地元団体などが開くイベントを楽しんだりしている

 ▼「みんゆう環境賞」の受賞歴がある山田カタクリ愛好会(三春町)が開いたカタクリ感謝祭を訪ねてみた。保護活動に努める会員の熱意が群生地に地域資源としての光をもたらし、会場にはたくさんの笑顔が広がっていた

 ▼保護活動が行われている場所以外では群生地がめっきり少なくなったようだ。森林環境の変化や乱獲などが原因とされる。春の風物詩でもあるカタクリの花を愛(め)でる名所がもっと増えることを願う。