【4月23日付編集日記】信夫山に新拠点

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 〈たづねばや しのぶのおくの 桜花 風にしられぬ 色やのこると〉(藤原定家)。いまの時季であればこんな歌がお似合いか。福島市の信夫山にちなむ古歌は90首にも及ぶそうだ

 ▼同市の中心市街のすぐ北側に横たわる信夫山は標高275メートル、周囲7キロほどの里山で、盆地の真ん中にぽっかり島が浮かんでいるように見える。中央に羽黒山、西に羽山、東に熊野山、北には立石山と、いくつもの峰が連なる

 ▼古くから山岳信仰の山として知られ、いまでは市民の憩いの場としても親しまれる県都のシンボル。春は花々が咲き競い、夏は深緑、秋には紅葉など四季折々に彩りを変え、市民に季節の移ろいを教えてくれる

 ▼その信夫山に情報発信拠点が誕生した。「信夫山ガイドセンター」で、山の歴史や自然、散策コースを紹介する資料展示室、市街地から吾妻、安達太良山までを一望できる展望スペースなどを備えて、ガイドも常駐する

 ▼とかく福島市は見るべきところが少ないと言われがちだが、新拠点を訪ねれば、信夫山にもこんなに名所や絶景ポイントがあったのかと再認識させてくれる。さわやかな季節。鎌倉時代の歌人になったつもりで信夫山の散策を楽しんでみてはどうか。