【5月1日付編集日記】五百川

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 「都の東北方、数えて500本目の川岸に霊泉あり」。南北朝時代、京都に住む公家の一人娘で不治の病に苦しんでいた萩姫という美しい女性が、こうお告げを受け、東北に向かった

 ▼郡山市の磐梯熱海温泉を流れる五百川にたどり着き、そばに湧く温泉に漬かったところ、たちまち回復し、美しさも増したという。約800年の歴史を持ち「美人の湯」として知られる同温泉に伝わる「萩姫伝説」だ。五百川の名称の由来とされる

 ▼その萩姫がたどったという京都から約750キロの旅路を検証する事業が、1日に始まる。伝説を現代に復刻させる試みだ。地元の20~40代の若手が、伝説を基に東山道などを自転車と徒歩で巡って道中にある川を記録し後世に残す

 ▼子どもたちに歴史をつないでいこうとの趣旨で企画された。時代の変遷とともに道路や河川の状況も大きく変わっているだろうが、果たして何本の川があるのか。伝説と現実の違いは興味深い

 ▼五百川には、安積疏水からの水も流れ込む。日本遺産に認定された「未来を拓いた『一本の水路』」の舞台の一つでもある。大型連休に入ったこの機会に川の流れが紡ぐ歴史のロマンに触れながら、ゆったりと温泉を楽しむのもいい。