【5月3日付編集日記】「暮しの手帖」と消費者目線

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 雑誌の「暮しの手帖」を創刊した大橋鎮子さんと花森安治さんの本や資料を紹介する企画展が県立図書館で開かれていると聞き、のぞいてみた。大橋さんはNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」のモデルだ

 ▼同誌の創刊は、戦後間もない1948(昭和23)年。初期の誌面を見て感じることは、生活で使うモノへのこだわりや、暮らしの質を高めようといった姿勢が当初から強く打ち出されていたということだ

 ▼同誌にはかつて「商品テスト」という名物コーナーがあった。経済成長でモノがあふれる中、どれが役立つ商品かを読者に伝え、メーカーにもより良い製品を作るよう提案しようと実際に使って比較し、掲載した

 ▼石油ストーブの安全性を確かめるため燃えているストーブを倒して火事になりかけたり、ベビーカーのテストでは赤ちゃんほどの重さの人形を乗せて100キロの距離を押した。編集者らはメーカーからの脅しや泣き言にも臆せず、厳格にテストした(酒井寛著「花森安治の仕事」)という

 ▼車の試験データがメーカーによって改ざんされた問題が取りざたされている。消費者目線での商品開発の大切さを訴えた大橋さんらは、泉下からどんな思いで見ているだろう。