【5月7日付編集日記】コメの文化

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 県内は田植えの季節を迎えた。田んぼに水が引かれ、早いところでは苗が風にそよぐ。暦の上では初夏に入った里山の光景だ

 ▼そんな営みに触れると、おいしいコメの収穫が待ち遠しい。とはいえ国内のコメの消費量は年々落ちている。農林水産省が実施した食生活の調査で、20代男性の約2割が1カ月間、コメを食べなかった―との実態が明らかになった

 ▼ユネスコの無形文化遺産に登録された和食の文化がどれだけ生活で実践されているのかを把握し、文化の継承に生かそうという調査だが、若者のコメ離れが際立っていることが鮮明になった

 ▼食生活の変化について、家庭の食卓から家族や社会の変容を研究している岩村暢子さんの著書「家族の勝手でしょ!」(新潮文庫)が興味深い。加工食品尽くしの食卓や、家族それぞれで専用のご飯茶わんがないといった事例に対し、今の若い人は「僕も(ウチも)やってるし」と違和感を持たなくなっているという

 ▼食卓の変容と、コメを中心に根付いてきた和食文化は切れない関係にありそうだ。ただ先日の本紙に載った田植えの記事にある「食べた人に喜んでもらえるコメに実ってほしい」との生産者の思いはいつまでも大事にしたい。