【5月19日付編集日記】だて染

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 中国の史書「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」に、邪馬台国(やまたいこく)の女王・卑弥呼(ひみこ)が魏に使者を派遣した際、「倭錦」という絹織物を献上したとある。倭錦は、2色以上の絹糸を使って織ったものといわれる。弥生時代にはすでに、日本で染織品が作られていたことが分かる

 ▼人は古来、植物の花や実、枝から美しい色をいかに引き出すか苦心しながら、さまざまな染め織りの技術を生み出してきた。加賀友禅や大島紬(つむぎ)、県内では会津木綿など日本には数多くの伝統的な染織品がある。どれも産地の風土が反映されたものばかりだ

 ▼「ニットの里」として知られる伊達地域で新たな染織品が誕生した。特産のモモの枝や、カキの皮などから抽出した染料で染色した糸を使用し、服などを作る。開発した県ニット工業組合は「だて染」の名称でブランド化を目指す

 ▼組合に加盟する企業は今後、ニット製造技術を駆使してオリジナルの商品作りに取り組む。高いデザイン性が国内外で評価されている企業もある。お披露目が楽しみだ

 ▼だて染は、天然染料を使用するため人の肌に優しいという。オレンジや茶色など淡い色合いからは、ぬくもりが伝わってくる。伊達の温かい土地柄が伝わる特産品に育てていきたい。