【5月23日付編集日記】桂歌丸さん

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 「歌丸師匠を人間国宝にしようって運動があるんだけど、あいにく人間国宝は定員が埋まっているらしい。だったら天然記念物にすりゃあいい」。この春、東京に寄席を見に行った時、出演した桂米多朗さんの話に会場は笑い声に包まれた

 ▼桂歌丸さんの落語は二十数年前に聞いたことがある。怪談話だったが、歌丸さんのとつとつとした語り口が恐怖をより際立たせ、背筋が冷たくなったのを思い出す。高座の姿と、テレビで見るユーモラスな歌丸さんとのギャップにも驚いたものだ

 ▼歌丸さんがきのう、放送開始から50年間出演してきたテレビ番組「笑点」の大喜利司会を引退した。同番組は2013年、復興支援として郡山市でも収録されている。歌丸さんらが笑いを届けてくれたことを思い出す県民も多いだろう

 ▼番組は降板するが、落語は続けるという。今年で80歳、芸歴も65周年の歌丸さんだが「まだまだ覚えたいはなしがある」と気力は衰えない。さらなる芸の高みを目指そうという姿に頭が下がる

 ▼日曜夕の「顔」が見られなくなるのはさみしいが、今後は寄席で国宝級の芸を堪能するのが楽しみだ。いまは「お疲れさまでした」との気持ちを込め、座布団を差し上げたい。