【5月25日付編集日記】森林の再生

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 冬虫夏草は、昆虫などから養分を吸収して育つキノコの総称。中国で古来、薬用に使われ、後に日本に伝わったという。現在は漢方や健康食品などに用いられ、幅広い効用があるとされる

 ▼本県で見つかった冬虫夏草は130種近くもあり、全国有数の「冬虫夏草の宝庫」。郡山市の逢瀬公園・緑化センターに先週オープンした「森のきのこの展示室」の展示を見て初めて知った

 ▼地域ごとに気候が異なる本県は、冬虫夏草に限らず、野生キノコの種類は豊富という。展示室に並んだ多くのパネルや標本、精密なキノコのスケッチ画などが森とキノコについて、詳しい知識を提供してくれる

 ▼展示室開設に協力した福島きのこの会の会員らは野生キノコの写真撮影や標本向け採取、分布調査などに励んでいる。会員の多くがもともとキノコ採り愛好者で「原発事故で食べる楽しみが減ってしまった」と表情を曇らす会員もいた

 ▼キノコ標本を手にしながら、ひと昔前にキノコを地元名物にしようと意気込んでいた会津のキノコ採り名人らの姿が目に浮かんだ。県内の多くの市町村では、今も野生キノコの出荷制限が続く。名人たちが活躍できる、かけがえのない森林の再生はいつになるのか。