【6月14日付編集日記】梅雨入り

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 ハナショウブの花は、梅雨の風物詩といわれる。江戸時代から品種改良が盛んに行われ、花の種類が多いことでも知られる。咲いている期間は長くないが、あでやかな花は古くから人を魅了してきた

 ▼ハナショウブには江戸、伊勢、肥後などの系列があり、外国系も合わせると品種名は覚えきれないほどある。開花時期、花の型や色など品種ごとに特徴があり、園芸ファンには、多様さが魅力の一つでもあろう

 ▼化学者で俳人の飴山実は「花菖蒲ぢかに地に置く旅鞄」と詠んだ。咲き誇る優美なハナショウブに思わず見とれる作者の姿が目に浮かぶ。詩歌の題材だけでなく、日本画など数多くの名画にも描かれ、日本の文化と密接につながってきた花でもある

 ▼県内のハナショウブの名所は、花の見ごろを迎えている。家族連れや愛好者らが足を運び、ハナショウブの花を前に和やかに語らう光景が広がっている。いつの時代も、花を愛(め)でる人には笑顔があふれていたことだろう

 ▼雨が少なく、農作物への影響が心配され「恵みの雨」が待たれていた県内は13日、梅雨入りした。各地でハナショウブの花のあでやかさも一層、雨に映える。心静かにその風情に浸るのも、梅雨の一興になろう。