【6月16日付編集日記】震災遺産

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 地震や津波の発生時刻で針が止まった時計、津波で流されたポスト、避難区域となり、使われずに避難所に放置された救援物資―

 ▼白河市の県文化財センター白河館「まほろん」で7月3日まで開かれている「ふくしま復興展『震災遺産と文化財』」には、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の傷痕を刻んださまざまな展示品が並ぶ

 ▼県立博物館などでつくる「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」のメンバーが被災地を巡って、収集したこれらの展示品は、震災の被害や避難の状況だけにとどまらない。これまでの生活が原発事故で急変した人たちの様子など、発生から5年が過ぎ、薄れがちな当時の記憶を呼び起こす

 ▼同展は、昨年2月から浜通りや県北、県中、会津各地域の6会場で開かれ、今回で県内を一巡した。今後、県内では同博物館や、希望に応じて各地で開催されるほか、県外での開催も予定されているという

 ▼首都圏をはじめ、県外に赴くと、東日本大震災に関するニュースを目にすることが少なくなったと感じる県民は多いだろう。震災を風化させることなく記憶をつなぐ。震災遺産を目にした人たちが被災地に再び目を向けて、応援の輪を広げていってほしい。