【6月24日付編集日記】農業変える新人材

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 マタタビの仲間の「サルナシ」は、サルが大好物のため、その名が付いたという。ほのかな酸味と甘みのある味わいは、もちろん人間が食べてもおいしい。玉川村の代表的な産物として知られている

 ▼他の地域ではあまり栽培されていなかったサルナシに着目し、同村内に広めた穂積俊一さんは、福島空港の近くにある生産物直売所「こぶしの里」の所長を務める。給水を抑え甘みを引き出した「しぼりトマト」、中国野菜「空芯菜」も村の産品に仕上げたアイデアマンだ

 ▼加工品にも力を入れる。数日しか持たない生鮮野菜も、加工すれば販売期間が半年、1年と延びる。生産者が大切に作った産物を無駄にしないという発想だ。こぶしの里は震災後、県外の販売会に参加するなどして地元産品の味と品質をPRし、順調に収益を伸ばしている

 ▼穂積さんは、2018年に計画される福島大農学系学部の開設に期待する。販売会への参加を通して、農業復興には生産を理論的に支えるリーダーが不可欠だと感じたからだ

 ▼本県の農産品はいまも風評被害という厳しい現実に直面する。乗り越えるには、新たな発想と視点が必要だ。その原動力である若者を育てる教育環境の充実を急ぎたい。