【6月29日付編集日記】高齢者の食

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 80歳でエベレスト登頂世界最高齢を更新した冒険家三浦雄一郎さんは肉料理好きで知られる。著書「冒険の遺伝子は天頂(いただき)へ」では「肉はまさに私の元気の源。心にもパワーを与えてくれる」と力強い

 ▼76歳の時、スキー事故で骨折した。高齢者が寝たきりになるような大けがを、リハビリや食生活の改善などで克服した三浦さんに憧れる高齢者も多いだろう

 ▼三浦さんが3度目のエベレスト登頂に成功した2013年、国立長寿医療研究センターは、在宅療養高齢者の約8割が「低栄養」「低栄養のおそれ」という調査結果を報告した。かみにくい食べ物を避けるのも要因の一つらしい。同センターは高齢者の楽しみとなる食事で、体調が改善した事例も紹介している。三浦さんは、そのお手本にもなろう

 ▼県は本年度、食べ物をかむ力が衰えた人でも、栄養が取れる健康食品の製品化を目指す事業者を支援する。成長分野の健康ビジネスへの県内企業の参入を促す

 ▼県内では、地元農産物を使ってムース状の介護用食品を製造販売している白河市の農業法人などの先行事例もある。高齢者が食べる喜びを取り戻し、介護負担軽減につながる事業に取り組む県内企業が増えるのを期待したい。