【7月3日付編集日記】日本遺産認定

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 刀の錆(さび)は恥、常に研ぎ澄まし、手入れを怠らず、一点の曇りもなくしておくことで武士の心根を示し、誇りとした―。人間国宝の刀匠天田昭次(1927~2013年)は、自著「鉄と日本刀」で、日本刀を「民族の遺産」として、その価値を言い表した

 ▼有形、無形の文化財をテーマ別にまとめ、地域の魅力を国内外に発信する「日本遺産」として、「仏都会津」をテーマにした「会津の三十三観音めぐり」と、安積疏水がテーマの「未来を拓(ひら)いた『一本の水路』」が、文化庁から認定証の交付を受けた

 ▼仏都会津は、会津に残る三十三観音めぐりに焦点を当てた。申請した会津17市町村は各地に点在する文化財を活用したり、往時の三十三観音めぐりを体験できるような取り組みを検討している

 ▼安積疏水は大久保利通が武士の救済と新産業による近代化に向けて進めた安積開拓を取り上げ、開拓者が苦難を乗り越え、発展の礎を築いた歴史を軸に物語を構成した。郡山市と猪苗代町が申請していた

 ▼仏都会津と安積疏水はそれぞれ、「地域ならでは」の素材が詰まった「遺産」だ。認定を受けた市町村などは、物語と活用法をさらに研ぎ澄まし、県民の誇りを全世界に発信してほしい。