【7月10日付編集日記】学生の選挙権

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 会津の女性から新聞社にかかった一本の電話。「18歳選挙権で初めて経験する貴重な機会なのに、住民票を古里に置いていた学生が投票できないのは、おかしい」

 ▼上京した息子の生活実態を調べる選管の調査に「正直に答えた」。古里は「生活の場でない」とされ、公職選挙法により選挙人名簿に載せてもらえなかった。下宿先の自治体の名簿にも載らない。初の投票機会を逸した

 ▼住民として3カ月以上の居住実態があることが公選法で認められる投票の要件。特定候補の当選のため短期間に大勢が移住するようでは、選挙の公正が保てない。古里への思いを込めた「ふるさと納税」はあっても「ふるさと投票」はない

 ▼しかし実家に住民票を残す学生は少なくない。進学時の面倒な各種手続きや連絡先は親元の住所にしておくと都合が良かったり、「都民になると県民健康調査はどうなるの?」など分かりにくいことも多い

 ▼行政は投票率向上を叫びながら、1票への意欲を何とかくみ上げる工夫をなぜしてこなかったのか。18歳選挙権を機に、10代も大人も行政も新たな学びをした今回の参院選。戸惑いの後に固めた意志を1票に託し、きょうは新鮮な気持ちで投票箱に向かいたい。