【7月13日付編集日記】残したい古里

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 哲学者の内山節さんは、自著「里の在処」で「私にとって『里』とは何か。それは魂が元にもどることのできる場所」と記した

 ▼東京生まれの内山さんは、20歳の頃に訪れた群馬県の山村に魅せられ、後年古民家を譲り受け、東京と山村の両方で暮らし始めたという。「魂は帰るべきところを探している。その思いの先に『里』がみえている」。内山さんは、この山村に新たな故郷とも言える「帰るべき場所」を見いだしたのだろう

 ▼高校生が写真を通じ、故郷に残したい町並みなどを再発見し、発信する「第5回『民家の甲子園』福島大会―町並みフォトコンテスト」が、郡山市で開かれた。参加した生徒たちは写真と意見発表で古里への思いを伝えた。最優秀賞に選ばれた坂下高は8月、全国大会に出場する

 ▼生徒たちは地域の歴史を刻んだ古民家や商家などを訪ね、地元の人と触れ合いながら古里の良さを見つめ直した。写真には生徒たちが感じ取った古里の魅力が切り取られている

 ▼福島大会実行委員長の内川紀雄さんは「後世に残す歴史、文化、古里を大事にする気持ちを大切にしてほしい」と願う。写真と記憶に残した古里がいずれ生徒一人一人の魂のよりどころになればいい。