【7月22日付編集日記】特撮のDNA

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 「神は、細部に宿る」の言葉は解釈に諸説あるが、芸術作品は細部もおろそかにできないと理解する人は多い。だが映画人たちの逸話は、文字通り細部に宿った神々がスクリーンに奇跡を起こすのだと教えてくれる

 ▼東宝で戦後20年以上スタッフを務めた中代文雄さんはホースの先に当てた親指から何種類もの雨を降らせ「雨の中ちゃん」と呼ばれた。「寂しい雨を頼むね」と言った名匠成瀬巳喜男監督は、その技にうなったと特撮技術監督の中野昭慶さんは記す(「初代ゴジラ研究読本」洋泉社) 

 ▼その中代さんが長くチームを組んだのが「特撮の神様」円谷英二監督(須賀川市出身)だった。円谷監督は1954(昭和29)年、中代さんら創意に富んだスタッフを集め、撮影所に特撮部門を結成。彼らが参加し、世界に知られる特撮映画の原点「ゴジラ」が誕生した

 ▼そんな特撮の貴重な資料を展示する「特撮のDNA」展が8月3日、三春町の福島さくら遊学舎で開幕する。200点を超す着ぐるみやミニチュアは、中代さんらが努力を重ね進化させたものだ

 ▼ちなみに、ゴジラは英語でGODZILLAと書く。少しできすぎのようだが、怪獣王にも「GOD(神)」が宿っている。