【8月5日付編集日記】若手とベテラン

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 「熊を、素手で羽交い締めにしようとしたことがありました。若かったんですね。無謀でした」。金山町のマタギ猪俣昭夫さんの飾らない朴訥(ぼくとつ)な語り口は、一つ一つの言葉が胸に響いてくる

 ▼山とともに生きる猪俣さんには「奥会津日本みつばちの会」の会長という、もう一つの顔がある。町の活性化に向けた活動にも取り組む猪俣さんから、ニホンミツバチが群れを増やすために新たな巣に移る「分蜂」について興味深い話を聞いた

 ▼新たなすみかを決める前段で、ベテランの探索蜂が候補地を探しに巣を飛び出す。一つの群れで数百匹単位。探索の結果を持ち寄り、候補地について8の字ダンスで協議を始めるが、古参と若手の蜂でダンスに違いがあるという

 ▼若手が選んだ候補地が適地でない場合は、種の繁栄の観点からも賛同は得られないが、古参の蜂は自分が見つけてきた候補地をゴリ押しすることはせず、若手の蜂の主張を尊重するという

 ▼人間の社会でも、若い世代の意見を吸い上げてまとめていくことが組織の活性化につながっていくケースがみられる。リオ五輪が開幕する。スポーツの祭典で若手とベテランがうまくかみ合いメダルラッシュにつながることを期待したい。