【8月15日付編集日記】終戦の日

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 「『東京』遂(つい)に勝てり」。いまから80年前の1936(昭和11)年8月2日、本紙夕刊の1面トップを大見出しが飾った。国際オリンピック委員会(IOC)が、40年に行われる第12回五輪の東京開催を決定したことを伝える一報だった

 ▼アジア初の五輪開催に国内は喜びに包まれた。政府は大会組織委員会を設置して準備に入るが、事態はやがて暗転する。37年に始まった日中戦争が長期化する見通しとなり、「五輪どころではない」とのムードが国内を覆う。そして日本は38年7月、開催権を返上した

 ▼組織委事務総長だった永井松三は、支援者への手紙に「東亜に平和の暁雲(ぎょううん)が漂う折は再びオリンピックを東京に招致する」と記した。永井は後にIOC委員となり、敗戦国日本の五輪復帰に向けて奔走している(「幻の東京オリンピック」橋本一夫著)

 ▼開催中のリオデジャネイロ五輪で、日本はメダルラッシュに沸いている。何より選手たちが国籍を超えて競い合い、互いにたたえ合う姿は私たちに大きな感動を与えてくれる

 ▼いまも世界では紛争やテロが絶えないが、先人たちが五輪に託した平和の意味を考え、4年後の東京五輪へとつなげたい。思いを新たにする「終戦の日」だ。