【8月20日付編集日記】8年目のゆがみ

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 税金には、とりわけ地方税には「応益負担」という原則がある。ごみ処理などの行政サービスや生活インフラの対価として、住民に納税を求める根拠になっている

 ▼そのルールに目をつぶる形で導入された「ふるさと納税」が過熱している。好きな地方自治体に寄付をすると、見合いで減税されるだけでなく、特産品などの返礼がもらえ、寄付しない場合より得をする仕組みが知られてきたからだ

 ▼返礼は定番の特産品のほか、換金しやすい商品券などモラルハザード(倫理観の欠如)が気になるようなものまでさまざま。寄付の獲得競争が全国で展開されており、県内でも9割を超す市町村が返礼を用意する

 ▼しかし地方に回るお金のパイは決まっている。ふるさと納税の寄付が増えるということはその分、住民税の減収を余儀なくされる自治体も増えることになる。税収が豊かな自治体ならまだしもそもそも少ないところは死活問題になりかねない

 ▼「寄付をもらえるのは努力のたまものだ」という主張はもっともだが、自治体同士が返礼を競い寄付を奪い合うようになっては元も子もない。制度の発足から8年余り。地域づくりを後押しするという本来の趣旨をいま一度かみしめたい。