【8月25日付編集日記】夜間中学校

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 映画監督の山田洋次さんは夜間中学を舞台にした映画「学校」(1993年公開)を製作する前、実際に夜間中学で授業を体験した。「学ぶとか教えるとかということの原形のようなものがある」と感じたという(寅さんの学校論)

 ▼映画は、中学に行けなかった中年や、元不登校の若者、日本になじめない外国人といった登場人物たちが勉強や幸せの意味を問い直す物語だ。山田さんは撮影に当たり、夜間中学の生徒たちから感じた「学べる喜び」に創作意欲を刺激されたという

 ▼夜間中学は戦後の混乱期、働いていて昼間に学校へ通えない子どものために開設された。現在では、映画のようにさまざまな事情を抱えた人たちが通う。県内では、公立夜間中学の設置を目指す市民団体が、福島市で5年前から自主夜間中学を開設している

 ▼教室には、10年以上も引きこもっていた若者や、アルファベットを一から学び直す70代男性もいる。同団体は、より多くの生徒を受け入れようと来月から昼間の授業も始める

 ▼文部科学省は、公立夜間中学を各都道府県に設置する目標を立て、県は現在ニーズ調査を行う。「学ぶ喜び」を取り戻したいと願う声に耳を傾けたい。知識は生きる力となる。