【8月26日付編集日記】ヒラメ

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 本県漁業の復興の「切り札」と呼ばれる魚が間もなく食卓に戻ってくる。「常磐もの」のブランドで知られる県産魚介類の代表格ヒラメの試験操業が9月から始まる見通しになった

 ▼本県沖は暖流と寒流がぶつかる「潮目の海」。ここで取れたヒラメは身ぶりが良く、築地市場などで高値で取引されてきた。小型底引き網漁を営む県内の漁師にとって主力魚種だったが、原発事故で出荷が制限された

 ▼小型底引き網漁は本来、水深50メートルほどの海域で操業していた。しかし試験操業では放射性物質の影響などが考慮され、水深150メートルの海域での操業を求められた。経験の乏しい水深の深い海域は波が高く、沖に到着するまでの燃料費がかさむなどの問題があったが、漁師たちは試験操業を続けてきた

 ▼ヒラメの試験操業は漁業再生への大きな弾みとなる。漁業者の会議では、漁獲するヒラメの大きさや出荷体制構築への議論が始まった。鮮度を保つため当面の漁獲量は1隻当たり20キロに制限し、漁獲対象は体長50センチ以上に限定する

 ▼漁師たちはブランドを復活させ、他産地との競争に挑む。漁師の誇りが込められたヒラメが全国の食卓に届き、味わった人たちに笑顔が広がる日が待ち遠しい。