【9月5日付編集日記】幸せの値段

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 「幸福な貧乏人もいれば、不幸な金持ちもいる。結局は自分が置かれた状態の中で、幸せは作りだすことができる」。苦労を重ね世界的なピアニストになったフジ子・ヘミングさんの言葉だ

 ▼博報堂生活総合研究所が1986年から10年おきに60~74歳を対象に続けている調査で「あなたが今ほしいものは何か」との問いに、今年の調査では40.6%の人が「お金」と答え、「幸せ」と答えたのは15.7%だった

 ▼30年前は「幸せ」が31.1%、「お金」が28.1%だったが、96年の調査から逆転して、その差は広がるばかりだ

 ▼厚生労働省の簡易生命表によると、2015年の日本人の平均寿命は女性が87.05歳、男性は80.79歳となった。女性は長寿世界一の座を香港に譲り、男性は前年の3位から4位になったが、ともに過去最高を更新した

 ▼医療が進歩し、病気になっても長生きできる人が増えた。老後が長くなる一方、生活の見通しは不透明だ。調査結果は、感覚的な「幸せ」よりも、現実的な「お金」を求める切実さの表れとみることもできる

 ▼寿命はさらに延びそうだ。自分はどう生きていきたいのか。本当の幸せとはどんなものか。あらためて問いを突き付けられた思いだ。