【9月6日付編集日記】歴史のロマン

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 大阪府堺市にある世界最大級の前方後円墳の名称を「仁徳天皇陵」と習ったのは三十数年前だ。しかし、今の学校では「大山古墳」と教えている。埋葬されているのが仁徳天皇だと証明されていないことから、古墳のある地名にちなんだ名称にしたという

 ▼所在地名で呼ぶことを提唱したのは、考古学者の故森浩一さんだった。鋭い問題意識を持ち、邪馬台国のあった場所を巡る論争などを繰り広げた森さんは、著書に「常識とか定説ほど厄介なものはない。学問の進歩の障害になっている一面がある」と書く

 ▼喜多方市で、定説が覆るかもしれないという発見が話題だ。古墳時代の中期(5世紀)に築造された前方後円墳「灰塚山古墳」から、太刀や矢尻など多量の鉄製品が出土した

 ▼これまで、同時期の会津は中央政権との関わりは薄いとされていた。しかし、会津を治めた豪族の墓と推定される古墳から当時貴重だった鉄製品が見つかったことで、中央政権と深い関係があった可能性が出てきた

 ▼これから、どんな古代の物語が明らかになるのだろうかと好奇心が高まる。きょうは現地で説明会が開かれる。貴重な発見を自分の目で確かめれば、地元の新たな魅力も発掘できるはずだ。