【9月10日付編集日記】花の力

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 「喜びにも悲しみにも、花はわれらの不断の友である」。日本美術界の指導者の一人だった岡倉天心の言葉を借りるまでもなく、花は喜びを分かち合い悲しみを癒やしてくれる存在だ

 ▼千葉大の環境健康フィールド科学センターが以前、興味深い実験をした。花がもたらす心理的効果を調べたところ、花がある部屋では「活気」が大幅に増え、「疲労」や「緊張・不安」「怒り・敵意」などが低下した

 ▼また、生理的効果の測定結果は、花を見ることでリラックス時に高まる副交感神経活動が29%向上する一方で、ストレス時に高まる交感神経活動は25%抑えられた。花の癒やし効果が医学的に確かめられた形だ

 ▼写真家の野口勝宏さんが「花」を題材にした撮影に力を入れるようになったきっかけは東日本大震災と原発事故だった。活動の幅はいま、震災で傷ついた人々の心を癒やすことから、病に苦しむ人々の痛みを和らげることへと広がっている

 ▼みんゆう県民大賞の受賞を記念した野口さんの写真展がきのうから福島市で始まった。「花には大きな力がある。花の力で人を元気にしたい」と野口さん。作品の中でいきいきと咲き競う花々から、きっと生きる力がもらえるに違いない。