【9月11日付編集日記】低カリウムレタス

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 半導体の工場内部の異次元空間とでも言おうか。会津若松市の富士通ホーム&オフィスサービスは発光ダイオード(LED)を照明に活用して、低カリウムのレタスを栽培している

 ▼2014(平成26)年から完全閉鎖型の植物工場「会津若松Akisaiやさい工場」を運営する。レタスは、腎臓に障害がありカリウムの排出が困難な人も食べることができるようカリウム含有量を通常の5分の1以下にしている

 ▼食べると「シャキシャキ」して口当たりがいい。苦みの成分も調整されているおかげで甘みも際立つ。これまでは蛍光灯を光源にしてきたが、蛍光灯は発熱するため室内を冷却する必要があり、生産コストに課題があった

 ▼LEDを使うことで省エネに成功し、生産性も向上した。今後は「さまざまな野菜のカリウムを低減し、付加価値の高い野菜づくりを進める」と前社長の今井幸治特命顧問は話す。次はどんな野菜が誕生するのか待ち遠しい

 ▼元々高い技術があっての野菜栽培。IT(情報技術)産業と農業という組み合わせから生まれた野菜は患者に喜ばれる上、会社にとっても社会貢献につながるはずだ。発想を転換した異分野への挑戦が、ほかにも実を結べばいい。