【9月15日付編集日記】はしかへの警戒

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 ご飯を炊いたばかりの温かい釜を頭に3度かぶる。または馬の飼い葉おけをかぶる。ヒイラギの葉を軒先につるす―。難を逃れようと民衆はさまざまなおまじないを試みたという

 ▼1862(文久2)年、江戸ではしか(麻疹)が大流行したときのことだ。流行の始まりは、長崎の出島に停泊していた西洋船だった。はしかはそこから京・大阪へと伝わり、江戸に入った。江戸市中の死者は1万4000人にも上ったという(鈴木則子著「江戸の流行り病」)

 ▼医学が発達し、予防接種が普及した現代では、はしかの患者は減少してきている。世界保健機関は昨年、国内に存在するウイルスによるはしかの感染はなくなったとして、日本を「排除状態」と認定した

 ▼しかし今、危険性は再び高まってきている。先月から、関西空港の従業員を中心に感染が相次ぐ。海外旅行者が国内にウイルスを持ち込んだとみられており、すでに関東でも患者が確認されている

 ▼はしかは感染力が非常に強い。高熱や全身の発疹が特徴で、重症化すれば死に至る。幸いにも県内ではまだ感染の報告はないが、県は注意を呼びかける。難を逃れるには、ワクチン接種や人混みを避けるといった自衛策が欠かせない。