【9月21日付編集日記】里山の再生

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 テングタケ科のキノコ「タマゴタケ」は、根元にある「ツボ」の形がタマゴに似ているのが名の由来という。地面から突き出た白いツボの中から赤いキノコのかさが現れる独特の姿と色合いが人の目を引く

 ▼キノコを研究する福島きのこの会が先日、柳津森林公園で行ったキノコ探索ではタマゴタケの群生が見つかり、確認できたキノコの種類も多かったという。野生キノコの出荷制限が続く中でも多様な森の恵みを育む里山の営みは途絶えない

 ▼復興庁などのプロジェクトチームは今月、里山の除染や森林整備に取り組む里山再生モデル事業を川俣、広野、川内、葛尾の4町村で行うことを決めた。原発事故で避難指示が出た他市町村なども計画がまとまり次第、実施地区に認定するという。ようやく里山の再生が具体化する

 ▼空間放射線量の低減や、森林の植生回復の実現には課題も多いだろう。帰還を望む地元住民の安全と不安解消を最優先に、里山を訪れる人が安心して森林に親しめる環境づくりは本県の復興に欠かせない

 ▼県内各地に広がる紅葉の美しさは、本県の自慢の一つでもある。身近な紅葉を愛(め)でながら、心おきなく秋の風情が楽しめる里山を取り戻せる日が待ち遠しい。