【9月23日付編集日記】私設図書館

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 「書を捨てよ、町へ出よう」は、作家寺山修司が1967(昭和42)年に出した評論集の題名。家で本を読んでいても大切なことは見つからない。外の世界で人と出会い真理を探せ。そんな意味だと記憶している

 ▼時代は変わり、今は本の題名とは逆に、本を求め家の外へ出掛けていく動きが広がっている。仲間同士や小規模な団体で本を集め、訪れた人が本を読み交流する「私設図書館」が各地で増えているのだ

 ▼会津坂下町では有志が運営する「本の森」図書館が今月26日で1周年を迎える。全国から贈られた約4万冊が並ぶ元幼稚園舎では、大人や子どもが本を読んだり遊んだり。郷土について学ぶ講座など催しも開かれ、カフェもある

 ▼こうした動きを、全国で街中の図書館作りを支援する一般社団法人「まちライブラリー」の礒井純充代表理事は「従来の図書館は、読書が主な目的だった。しかし今は人のつながりが希薄なせいか、人と出会うため人が集まる。本の話をすると心の窓が開くんです」と話す

 ▼「本の森」もより多くの心の窓を開こうと2年目は移動図書館を始める。あすはその第1弾。スタッフが約500冊を携えて昭和村へ赴く。本が結ぶすてきな出会いを願う。