【9月26日付編集日記】言葉遣い

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 「なに事をいひても、『そのことさせんとす』『いはんとす』『なにとせんとす』といふと文字をうしなひて、ただ『いわむずる』『里へいでんずる』などいへば、やがていとわろし」。枕草子にある一節だ

 ▼作者の清少納言が「わろし」と嘆いているのは、世間で使われている言葉遣いについてだ。例に挙げているのは、本来あるはずの「と」を抜いた言い回し。言葉の乱れは、いつの世でも問題になっていたということか

 ▼「と抜き言葉」ならぬ「ら抜き言葉」のうち「見れる」「出れる」を使う人の割合が、初めて多数派になったことが文化庁の国語世論調査で明らかになった。ら抜き言葉は若い世代ほど定着しているという

 ▼一方で「日本語を大切にしている」との回答が8割弱、「美しい日本語があると思う」が9割強あり、それぞれ増加傾向だった。地域や職場であいさつをし合う時などに、多くの人が心と心を結ぶ言葉の大切さを感じていることも分かった

 ▼正しい日本語を使うことは大事だが、言葉は時代によって変わるもの。何より大切なのは、相手を思いやる気持ちを言葉に込めることではないだろうか。清少納言がいたら、ら抜き言葉に眉をひそめるかもしれないが。