【9月28日付編集日記】コメ概算金

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 「一茶調」といわれる多くの名句を詠んだ江戸時代後期の俳人小林一茶の句に「半分は汗の玉かよ稲の露」がある。農家生まれの一茶が農作業に励む農民をねぎらう優しいまなざしは時代を超え共感を呼ぶ

 ▼県内の田んぼでは農家が稲刈りに追われている。コメの全量全袋検査も本格稼働している。作業が機械化されたとはいえ空模様を見ながら、限られた適期内で収穫するのは容易ではないという

 ▼県内JAがコメ農家に仮払いする生産者概算金の基準として全農県本部が示す2016年産米「JA概算金」が、県内全域で15年産米を大幅に上回ったことが先日、明らかになった。風評被害からの回復が期待されるためという。コメの価格が持ち直せば、農家が流す汗も報われる

 ▼県の調査では、昨年5月から1年間の本県の新規就農者が238人で過去最多となった。農業に夢を託す新規就農者が安心できる環境をつくるためにも、農産物価格の安定が欠かせない

 ▼新規就農者の増加は、地域を活気づけることになるだろう。県人口が来月にも190万人を割る可能性が指摘される中、若者らにとってやりがいのある農業の環境を整えることは、有効な人口減少対策の一つになるはずだ。