【9月29日付編集日記】無信不立

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 多くの政治家が好んで座右の銘に挙げる一つに論語の「無信不立(信無くば立たず)」がある。小泉純一郎元首相もかつて首相官邸のホームページで紹介していたほどだ

 ▼弟子から政治の心得を問われた孔子は「食料と軍備を十分にし、人民と信頼関係を持てるようにする」と説明。最後の締めの言葉として、政治から信頼を取ったら、政治は成り立たないと答えたとされる

  ▼「信」は一体どこへ行ったのか。富山市議会で発覚した政務活動費不正問題は一気に拡大し、議員辞職ドミノに発展した。富山県議、山形県議にも同様の問題が表面化して、各地に広がる可能性も指摘されている

 ▼偽造領収書、架空経費、水増し請求...。不正の中身をみると税金をもらい、使っているという規範意識は完全に欠け落ちており、あきれるしかない。議員になって、住民のために何をするのか、そもそもの使命感が吹き飛んでしまっているよう

 ▼会津若松市では市議が妻の生活保護費不正受給にからみ詐欺の疑いで逮捕された。孔子は「(ま)政(つりご)を(と)為(な)すに徳を以(もっ)てす」とも説いている。この国の地方議員は3万3千人余り。「徳」を備えて政治に取り組んでいるだろうか。あらためてかみしめてほしい言葉だ。