【10月5日付編集日記】まちゼミ

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 大正期から戦後にかけて活躍した作家吉川英治が座右銘とした「我(わ)れ以外みな我が師(我以外皆我師)」は、いまも共感する多くの人に語り継がれている。東京・吉川英治記念館はホームページで「家庭の事情から小学校中退という学歴しかなかった吉川英治の人生観」と紹介する

 ▼この座右銘は小説「新書太閤記」で、出会った人から何かを学び取ることを忘れない豊臣秀吉の姿勢に触れた一節に登場する。「自分より勝る何事かを見出(みいだ)し、そしてそれをわがものとして来た」と、吉川は秀吉を通じて学びへの信念を伝えたのだろう

 ▼秀吉が約430年前に訪れた会津若松で本年度も、地元商店主らが講師を務める「まちゼミ」が先月下旬まで約1カ月にわたり開かれた。地域の商店などを会場に専門知識を学ぶ機会として、5回目の今回も好評だったという

 ▼講座のテーマはお茶や食品、手工芸、健康、歴史など多彩。「お客さまに喜んでもらい、商店主も勉強になる。まさに相乗効果」と、実行委員会役員は声を弾ませた

 ▼身近な分野のプロである商店主から学べることは多いはずだ。市民が店に出向き、学びをきっかけに交流を広げることで、商店街の活力につながることを期待する。