【10月6日付編集日記】AI農業

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 「おやじの言っていることがいまいち分からなくて」。果樹農家の長男である友人が愚痴をこぼしていた。彼は会社勤めをしており、休みの日に農作業を手伝う。この道50年の父親から指導を受けるが「勘所がつかめない、あいまいなアドバイスばかり」なのだという

 ▼ベテラン農家は農地の管理から栽培、病害虫の防除まで「匠(たくみ)の技」を駆使して品質の良い農作物を生産している。しかしその技は長年の経験や勘により培われたもので、第三者には伝えにくいものらしい

 ▼ベテランの技術を残していこうと、農林水産省は技術をデータ化するAI(農業情報科学)システムの研究を進めている。例えば、水やりのタイミングや温湿度の管理をセンサーなどを使って記録・分析し、マニュアル化するといった取り組みだ

 ▼西会津町で、そのAIを生かした事業が始まった。高品質なシイタケの栽培に向け、IT企業がハウス管理など農作業のデータを蓄積する。効率的な生育法の確立を目指すという

 ▼栽培のノウハウは、町内の新規就農者らにも提供してシイタケ生産の匠を増やしていく。熟練の技と、最新の情報技術が融合した農業が地方創生のモデルとして根付いていくかどうか注目だ。