【10月7日付編集日記】復興へ最前線の町

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 今は山中、今は浜♪。童謡「汽車」のモデルについては異説もあるが、ゆかりの地と誇りに思う広野町の人たちには親しみ深い歌だろう

 ▼JR常磐線の広野駅は震災と原発事故で避難した双葉郡にあって最も早く業務を再開した。かつて田んぼが広がっていた駅東側は復興へ再開発が進められ、夢にも見なかった高いビルが姿を見せてランドマークになった

 ▼町の計画では西側の市街地から常磐線をまたいで東側に渡る自由通路が造られ、その先には、ふたば未来学園の寄宿舎ができる。津波被災のなかった区域だが、事情を知らない人たちからは異論もあったという

 ▼遠藤智町長は言う。「常磐線は双葉郡をつないでいる。郡内から集った生徒たちが朝夕、遠く続く線路を見て双葉郡の絆を確かめるんです」。校舎から街中に出てきた生徒たちの若い声が通りに響いているのも、郡内ではここだけだ

 ▼北隣の楢葉町で昨年避難指示が解除され、来春には富岡町も続く。復興前線は確実に北へ上がっていく。広野町はその最前線で変化の風を呼び込んでいく役回りだ。帰還者も若者も、いくつもの異論や不安を力強く乗り越えてきた5年半。♪思う間も無くトンネルの、闇を通って広野原♪。