【10月17日付編集日記】鈴木尚広選手

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 プロ野球は、広島と日本ハムがそれぞれクライマックスシリーズを制し、日本シリーズ進出を決めた。今シーズンもいよいよ大詰めだ。一方で今の時期は選手の引退表明も相次ぐ

 ▼まだまだ活躍できそうなのに引退は惜しい―。そう思った野球ファンは多かったのではないだろうか。巨人の鈴木尚広選手(相馬高卒)のことだ。今季も10盗塁を記録し、「神の足」と称される走塁技術に衰えは見えなかった。それでも20年の現役生活に区切りをつけた

 ▼十数年前、鈴木選手を取材して感じた「寡黙で真面目な男」との印象は今も変わらない。ベテランになってもチームでは誰よりも早く球場入りして出番に備えるなど、妥協を許さない完璧主義者だった

 ▼だからこそ、ゲームで存在感を示すことができた。「代走鈴木」がコールされると球場の雰囲気が一変した。投手や打者ではなく、走りで見せ場をつくれる選手はめったにいない。そう考えると、ますます引退が惜しくなる

 ▼ただ、引退会見での鈴木選手の笑顔からは、やりきったという満足感が伝わってきた。将来は指導者として野球に関わる夢もあるという。球史に残る走者は第二の人生へのスタートを切った。大きなエールを送る。