【10月18日付編集日記】白河文化交流館

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 白河藩主を務めた松平定信は、屈指の文化人と称された。自らも「楽翁」の名で書画などの作品を多く残したが、江戸・築地の下屋敷に造った庭「浴恩園」を多くの文化人と交流するサロンとして使ったと伝わる

 ▼このサロンには、文化に理解が深い大名をはじめ、歌人や書画家、学者といった多彩な面々が訪れたという。当時は江戸文化の花盛りし頃。定信は谷文晁や亜欧堂田善らも見いだしている。サロンに集った仲間と文化論をぶつけ合ったことだろう

 ▼定信は、町民が武士の音曲の師匠になるなど、武士と庶民の別なく文化を共に学び、楽しんでいたとされる時代に育った。白河市の南湖公園は武士も庶民も一緒に楽しめる場所にしたいと、「士民共楽」という願いが込められた

 ▼その白河市に23日、芸術文化の新たな拠点が誕生する。白河文化交流館「コミネス」だ。約1100席収容の大ホール、日々の芸術活動に利用できる練習室などを備え、音楽を中心に芸術文化を楽しむことができる

 ▼運営理念は「市民共楽」。時を超えて定信の思想が受け継がれた形だ。定信のサロンのように、住民が共に芸術文化を学び親しむ場にしていけば、新しい地域の文化が育っていくはずだ。