【10月20日付編集日記】吾妻山警戒レベル1

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 「あづまやまの谿(たに)あひくだる硫黄ふく南疾風(はやち)にむかひてくだる」。山形生まれの歌人斎藤茂吉は1916(大正5)年夏、吾妻山に遊び、下山途中の情景を詠んだ

 ▼吾妻山は深田久弥の「日本百名山」の一つとしても登山家に知られる山であり、浄土平を中心に県内有数の観光地でもある。そして福島市民にとって四季折々の姿は、幼い頃から脳裏に刻み込まれる古里の山でもある

 ▼気象庁が吾妻山の噴火警戒レベルを2から1に引き下げた。今年5月以降、火山性地震が少ない状態で経過し、噴火の兆候が認められなくなったという。2014年12月の警戒レベル引き上げから2年近く。待ちに待った朗報である

 ▼これを受けて、福島市は火口周辺500メートルの立ち入り規制を解除。浄土平から一切経山に続く登山道は、火口から最も近い「直登ルート」を除き、通行できるようになった。磐梯吾妻スカイラインも昨日から夜間通行止めが解除された

 ▼ただ、気を緩めるわけにはいかない。気象庁は火山ガスに注意が必要で、大穴火口付近では噴出現象が突発的に発生する可能性があるとしている。レベル1で噴火した御嶽山(おんたけさん)の例もある。自然への敬意と畏怖を忘れずに、恩恵を堪能したい。