【10月22日付編集日記】骨髄バンク

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 温厚な警察官がアルツハイマー病を患う妻を殺した。警察官は自殺も考えるが自首する。その決断の背景には、息子を白血病で亡くした過去と、自分が登録する骨髄バンクのドナー(提供者)資格が年齢オーバーで抹消されるまであと1年残っていることがあった

 ▼小説「半落ち」のストーリーだ。作者横山秀夫さんの息子は、中学生の時に悪性リンパ腫にかかったが、骨髄バンクを通して骨髄移植を受け一命を取り留めた。ドナーへの感謝を込めて書いた小説はヒットしドナー増加にもつながった

 ▼骨髄バンクを介した骨髄や末(まっ)梢(しょう)血幹細胞の移植が2万件に達した。今年はバンクの設立から25周年だ。当初は年に数百件だった移植は近年、約1300件で推移している

 ▼ドナーになれるのは18~54歳。全国で約46万人が登録する。県内は1万5257人(9月末現在)で、対象人口千人当たりの登録者数(18・47人)は沖縄、栃木県に次ぐ全国3位だ。献血会場でのドナ ー登録呼び掛けなど啓発活動の成果が出た

 ▼一方、高齢化で登録が抹消されるドナーが増えており、若者の新規登録が欠かせない。移植を待つ患者は全国で約3千人に上る。命をつなぐため一人一人にできることがある。