【10月31日付編集日記】本物

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 「本物」という言葉が気になって辞書に当たってみた。偽りでない実物だったり、事実や真実、素人の域を超えた技芸などとの意味が並ぶ。現代社会では、こうした「本物」に出会う機会が減っているのではと感じる

 ▼デジタル技術の進展で仮想現実(VR)や拡張現実(AR)という言葉が話題になる。現実の映像にコンピューター画像を加え空想の生き物を出現させたり、仮想世界で冒険したりするゲームが販売され、仮想空間が身近になった

 ▼現実と仮想の境が狭まる中、大都市圏で味わえない自然や生活を提供する体験型観光を考える「全国ほんもの体験フォーラム」が南会津町などで開かれた。全国の観光関係者が事例報告などでその在り方を探った

 ▼講演では川や海に生息する魚、畑で栽培される野菜などありのままの姿を見ることができる田舎暮らしを有効な観光素材と指摘。外国人を含め観光客は、これらを体験できる観光メニューを求めていると紹介された

 ▼VRやARの登場で仮想世界の価値が高まっているように見えるが、本物の魅力は変わらない。県内では今、山々が錦秋に染まり、リンゴや柿なども収穫が最盛期を迎えている。本物を味わいに出掛けてみようか。