【11月5日付編集日記】世界津波の日

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 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は1854年11月5日に発生した安政南海地震をモチーフに小説「生き神」を書いた。この作品で八雲は、庄屋が稲に火を付けて高台へと村民を誘導し、津波から救った「稲むらの火」の逸話を欧米に紹介した

 ▼八雲は作中で「津波」を日本語に基づき「tsunami」と表記した。それをきっかけに「tsunami」という言葉は世界に広がり、国際語として使われるようになった

 ▼きょう初めての「世界津波の日」を迎えた。安政南海地震の発生日にちなみ、国連が制定した。月末にかけ、国内外で防災に向けた啓発イベントや避難訓練が行われる

 ▼磐城高天文地質部の部員は今月下旬、高知県で開かれる「世界津波の日高校生サミット」に参加する。東日本大震災を機に作成に取り組んだ津波ハザードマップを紹介し、その活用法などについて約30カ国の高校生らと議論する。部員らは「自分たちの経験を世界に伝えたい」と意欲を見せる

 ▼津波による悲劇を繰り返さないためには、世代や国境を超えて災害の脅威を認識し、万全の備えをすることが大切だ。過去の教訓を生かし、世界中に「稲むらの火」を再びともしていかなければならない。