【11月9日付編集日記】シャクヤク

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 古典落語に「葛根湯医者」という小話がある。頭が痛い、腹が痛いなど、さまざまな症状の患者に漢方薬「葛根湯」ばかり処方する医者が患者の付き添い人にまで「退屈だろう」と葛根湯を勧める話だ。演じる落語家それぞれの話芸があり、何度聞いても笑ってしまう

 ▼この小話が語り継がれるのは、古くから葛根湯が多くの人の病を癒やしてきた歴史の証しでもあろう。進化した現在の葛根湯は風邪や頭痛、肩こり、筋肉痛などの薬として浸透し、製品の種類も多い

 ▼葛根湯など漢方薬の材料に使われるシャクヤクの根を、只見町の生産団体が今月、地元で収穫した。2017年度にも臨床での活用が始まる見通し。漢方薬の原料に十分な品質を確保できたのは12年から栽培に励んだメンバーの努力の成果にほかならない

 ▼花の美しさで知られるシャクヤクだが、根の部分を薬の材料として収穫できるまで4、5年かかる。国内では中国産が多く、只見産シャクヤクは新たな地産地消の先導役として期待が高い

 ▼県内では磐梯町や平田村も薬草栽培に乗り出している。高品質の材料生産と安定供給で地域活性化、農業再生を図り、漢方薬を通じ健康への貢献を誇れる地域になることを願う。