【11月20日付編集日記】富良野GROUP

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 脚本家の倉本聰さんはかつて、夢に向かい情熱を燃やすランナーに脱帽した。「演劇の感動がスポーツの感動に勝るには」と自問自答していた時のことだ。ランナーが目標を達成するために流した汗、それを貫く意志の力。そこに感動を呼び起こす原点を見いだしたという

 ▼その感動の原点を舞台に表したのが、倉本さんが率いる創作集団・富良野GROUPの「走る」だ。女子マラソンの有森裕子さんが五輪でのメダルを目指して走り続けた姿を参考に、倉本さんが脚本を書き下ろした

 ▼「走る」は題名の通り、出演者が全編を通してひたすらステージを駆け抜けて、「人生とは」と問い掛ける。出演者には、スポーツ選手並みの運動量が求められ、足のけがで降板する役者もいるそうだ

 ▼来年1~3月に全国公演が行われ、県内では郡山、いわき両市で上演される。「富良野GROUP」にとって、この公演が最後の舞台となる。前身の富良野塾から数えて30年以上にわたり演劇と真摯(しんし)に向き合ってきた活動がゴールを迎える

 ▼人生に悩み、葛藤しながらも夢を追い求める若者たちのひたむきな姿は、震災からの復興に懸命に歩む県民の姿にも重なる。見る者の心にエールが響くはずだ。