【11月27日付編集日記】言葉のインパクト

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 日々のニュースを伝える新聞記事は、第1段落で決まるといわれる。何がニュースでポイントはどこかを伝えられるよう記述するのが重要だと教え込まれた

 ▼文章の冒頭で読者に関心を持たせるのは、記事に限ったことではない。郡山市ゆかりの作家の久米正雄、宮本百合子を顕彰する「久米賞・百合子賞」もそうだった。毎年、同市の中学3年生から作品を募集し55回目を迎えた今回は、百合子賞(女子対象)の小説部門で2作品が最高賞の正賞に輝いた

 ▼いずれの作品も書き出しがいい。母親に反発し、批判的な感情を抱く主人公の成長過程を描いた作品は「きっかけは母の一言だった」。父親の存在を巡り同情されることに嫌悪感を持つ主人公の心情などをつづった作品は「昨日のあれ、可哀想(かわいそう)だったよねー」

 ▼次に何が書かれているのか読み進めたくなる。元こおりやま文学の森資料館長の根本清夫審査委員長は「展開を暗示し、読者の興味を引き付ける」と作品集で総評した

 ▼郡山で少年から青年期を過ごした久米と、少女時代から祖母の住む郡山を訪れ感性を磨いた百合子。この地がモデルの作品も多い。中学生たちは時代を超えて同じ土の匂いを感じながら言葉を紡いでいる。