【12月5日付編集日記】子どもの誤飲

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 息子が幼かったころ、たばこの吸い殻を口に入れたことに気付き、慌てて診療所に担ぎ込んだことがある。「苦いからふつうはのみ込まない」という医師の言葉通り、そのときは事なきを得たが、肝を冷やしたものだ

 ▼幼い子が口に入れるのはたばこだけではない。大人用などの医薬品を誤ってのみ込む誤飲事故が増えている。日本中毒情報センターには昨年、約8800件の相談が寄せられた

 ▼血圧など慢性疾患の薬は大人には毎日欠かせない薬で、それほど激しい作用があると思えないかもしれないが、子どもの体には深刻な影響を与えかねない。実際、それらの薬を誤飲し入院治療が必要になった乳幼児らがいる

 ▼薬は高い戸棚の中など子どもの手の届かない所に保管することが大事だが、昨日できなかったことを今日突然やってのけるのが子どもだ。大人の想像を超える方法を思い付き口に入れる

 ▼そこで今、幼い子どもが自力で開けにくい薬の包装容器を検討する動きが製薬団体などで本格化している。こうした容器は米欧では早くから採用され、国内でも何度か登場したが普及しなかった。開ける時に手間が掛かるのが最大の理由だ。ひと手間か、子どもの安全か。答えは自明だ。