【12月11日付編集日記】漫才授業

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 俳優高倉健さんの武骨なイメージが際立つテレビCMのせりふがある。「不器用ですから」。無口だが、やるときはやる。そんな銀幕スターの健さんに憧れた人も多いはずだ

 ▼渋さが売りの人なら無口も格好いいが、口数が少なく不器用な子どもたちが学校現場で増えているというのは心配だ。友人とうまく交われずに孤立したり、自分の考えが伝えられずに誤解されたり。大勢の仲間と一緒に遊ぶ機会が減ったことも要因なのだろうか

 ▼会津若松市で文化イベント「会津エンジン」を開いてきたNPO法人の新たな取り組みが面白い。芸人が中学校で授業を行い漫才のノウハウを伝授する。大声を出せるようになったり、主張できるようになったり、相手に気配りをしたりという効果が期待された

 ▼成果は予想以上。引っ込み思案で友人とうまく話せなかったという女子生徒が友人の爆笑を誘い「漫才で自分を変えられた」と笑顔を見せた。学校も「生徒の見えていなかった部分を引き出せた」と満足そうだ

 ▼「ふざけている」という印象もある漫才だが、教材としての活用にも可能性が広がった。生徒の漫才のレベルが上がれば教室も活気づき、笑いの絶えない学校になるかもしれない。